Life-diary

株式会社ライフイノベーションのブログです。

「まあいいかcafe」@Lavy’s Café 鳴尾・武庫川女子大前駅店 開催

 2024年9月21日、5回目となる「まあいいかcafé」開催。

 

 認知症を患うお母様から発せられていた「働きたい、誰かの役に立ちたい」という言葉。

 そんななかで出会った「注文をまちがえる料理店©」を主催する小国士郎さんに触発され、同じコンセプトを掲げた「まあいいかcafé」事業を京都で始められた平井万紀子さん。

 今回はマルシェ出店があり、その中には就労継続支援B型事業所のアーティストさんによる作品や、無農薬野菜やシェイク、ハンドメイド雑貨など。どれも素敵なものばかりで、駅利用者も足を止めるなど賑わいをみせました。

 Lavy’s Caféにおいて、初めて『まあいいかcafé』 が開催されたのが2022年4月16日。それから、本当に多くの方に携わっていただいています。

 認知症は65歳以上の6人に1人の割合でいるとされています。認知症の人の生きがいなどへの理解を深め、認知症になったから好きなこと、やりたいことをあきらめるのではなく、どのような支援ができるかを社会・地域全体で考えていくことが大切だと感じます。例えば、身体を動かす体操がしたいとか、趣味の活動をしたいなどのほか、実はまだまだ働きたい、社会で活躍したい、人の役に立ちたいという方がいらっしゃるということを知っていただく機会になればと思います。

 認知症を患うスタッフが接客をするまあいいかcafé、認知症の特性から、次の日には、もしかしたら直後には、ホールスタッフとして働かれたことを忘れてしまわれるかもしれませんが、そのひとときには確かにカフェの店員になり笑顔でお客さんを迎えて相手の記憶に残っていることだと思います。

前回3月に開催の『まあいいかcafe』にドイツ公営局の取材がありました。先日、放映がなされドイツ公共放送のサイトで見ることができるのでリンクを貼り付けます。

www.ardmediathek.de

 

 

Pay it forwardという考え方

 ペイフォワード(Pay it forward)という考え方をご存知でしょうか。

自分が受けた善意を他の誰かに渡すことで,善意をその先に繋いでいくことをいいます。直訳すれば「先に向かって支払う」となりますけれど,善意を与えてくれた本人に対して受けた恩を返す代わりに,他の誰かに善意を送るということから,日本では「恩送り」とも表現されています。

 実は今年4月末,当社社主が所属のロータリークラブの活動を通じて知己を得た支援学校のY校長先生から次のようなご依頼がありました。「4月に赴任してきたばかりの大阪府立中央聴覚支援学校高等部には専攻科(高等部卒業後さらに2年間スキルを磨くために設けられているコース)があり、その専攻科最終学年に生徒がふたり在籍している。ふたりは,それぞれ幼稚部から17年間通った学び舎を来春いよいよ卒業するにあたり,学んできた木工技術を生かして,卒業制作として,高等部校舎1階の廊下壁面を改修したいとの申し出があることを担当教諭から告げられた。気持ちに応えてやりたいが,年度もスタートしており,認められている校長予備費から本件に大きく割くわけにもいかず,費用捻出に窮している。彼らのプレゼンテーションをご覧いただいてからで構わないので,なんとか支援検討願えないだろうか。」というものでした。

 この大阪府立中央聴覚支援学校の設立は,今から124年前に遡ります。17歳で失明し苦労を重ねて実業家となった五代五兵衛翁が,私財を投じ,実弟音吉の助けを得て設立した大阪盲唖院が源流。明治40年,大阪市に移管されたのち数回の改称を重ねますが,卒業生や関係者のお気持ちを踏まえて同校の前身となる「大阪市立聾学校」の名称が正門前に今も併記されています。歴代校長のなかには,きこえない子どもたちに口話のみで指導する方針が日本中を席巻し,手話を使うことが否定されていた時代に手話の必要性を強く訴え,のちに「手話の父」と呼ばれた高橋潔校長(映画「ヒゲの校長」(2022年)のモデル)がおられます。現在,日本で手話とともに使われている,50音を指で表す「指文字」を考案したのもこの学校だということです。

 あれこれやり取りしたのち,5月中旬,Y校長と担当教諭のO先生との面談に校舎を訪問しました。生徒たちは,素晴らしい仲間や先生と出逢えた学び舎だけれども、余りにもレトロな校舎のせいで入学を希望する生徒数が減ってきているのではないかと考えるようになったそうで,彼らの母校愛に負けないくらいの勢いでO先生も熱い想いをお伝えくださるので,このお世辞にも明るくない(!)高等部校舎のエントランス改修工事に協力を申し出ることになりました。ただし,来春には社会人となるはずの生徒たちですから,彼らが命名した教育活動を目的とした架空の会社「すずかけ工務店」として,プレゼンに臨んでもらうことになりました。プレゼンテーションは翌月12日で調整。少し緊張してもらおう作戦で,当社から社主と取締役2名合計4名と,一級建築士事務所の株式会社クララ(本社:箕面市)の濱野社長と総勢5名で向かうことになりました。

 一方,当社では生徒たちや先生方の熱い想いに応えたくて,密かに,「すずかけ工務店」の会社概要と名刺の製作,そしてユニフォームのTシャツを工事費用の目録と一緒に準備していました。

 

 プレゼン当日,「すずかけ工務店」代表社員のふたりと後輩社員ひとりが緊張の面持ちで私たちを迎えてくれました。しかし,プレゼンが始まるや、たくさん練習したのがひと目で分かるほど,自信をもって挑んでくれました。

 先生方や機械による通訳が必要な場面もありましたが,意思疎通に困難さを感じさせない見事なプレゼンテーションを披露してくれました。学び舎を巣立ち来春には社会人となる彼らの思いは,まさに「Pay it forward」。高等部の校舎の廊下壁面に木工技術を駆使した木目タイルでデザインし,後輩たちの学校生活に華やぎと潤いをと企画した「改修計画」。この日のために,何度も何度もプレゼンの練習,応酬話法の研究を重ねた様子が伝わり,心地よい感動を覚えるひとときでした。

 プレゼン後には,用意していたもろもろ贈呈式を行いました。それから、出来立ての名刺を使って初めての名刺交換会!「すずかけ工務店」の皆様との親睦を図りました。

 授業の合間を縫って、工事を進めるとのことで,2025年2月の工事完成に向けて頑張ってくれることと期待します!

完成パースは追って掲載します。心配だけどとても楽しみです!

 

 

(追記)

◆工事進捗確認①:7月25日(夏休み)墨出し

ユニフォーム着用で,準社員の先生方も総出で墨出しに着手。

運搬キャリー(!)も使って…悪戦苦闘(笑)

 

◆工事進捗確認➁:8月7日 下地貼り

  わ、なかなかさまになって来たぞ!

                                    つづく

 

しあわせ運べるように

 2024年1月1日、能登半島を大きな地震が襲いました。2003年設立の当社は、2018年6月18日に発災の大阪北部大震災を経験しましたが、能登地方の復興が遅々として進まない様子に心を痛めています。

 

 さて、今日のブログのタイトルの「しあわせ運べるように」は、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災後に、神戸市の音楽教諭だった臼井真教諭が神戸復興を願い、作詞・作曲した楽曲のタイトル。ずっと以前にもこのタイトルのブログをLife-diaryに記した記憶がありますが、このメロディと歌詞を聞くたび、生き抜くことの大変さと共に、生きていることを有難いと心から感謝し、他者に幸せを運べるような生き方をしなさいと教えてもらっている気がするのです。

 実は、先日。2011年3月11日発災の東日本大震災後まもなくから、関わりを持たせていただいてきた施設を訪問しました。東日本大震災に際して全国各地から寄付が集まる一方で、児童福祉施設など既存の施設への寄付が激減しているという当時のニュースがきっかけで、被災地から遠く離れて働くことが出来る私たちに出来ることを考えたとき、どうであれ、社会に寄り添う気持ちをカタチにしたいというものでした。

 こちらは、明治29(1896)年に発生した三陸沖地震で被災地に遺された26名の孤児の養育に私財を投じた北川波津女史が、3年後にその前進となる『東京孤児院』を創設されて以来120余年の歴史を持つ児童福祉施設。明治の女性が起業され、子ども中心主義という基本理念に粉骨砕身されたお話に心酔し現在に至るものですが、子どもたちの進学や就職の一助になっていると言ってもらって、『感謝状』までご用意くださって感無量、会社の仲間と感動を分け合いました。誰かに褒めてもらうために何かをしているのではなくても、喜んでもらえて褒めてもらえて嬉しいと思えた出来事でした。

 会社は規模の大小ではなく社会の公器と信じて、どんなときも、フィランソロピーの真似事を続けてきたことは間違いではなかったと思えたひととき。理事長先生、園長先生、理事をはじめ、歓迎くださった職員の皆様に感謝でいっぱいです。

「まあいいかcafe」@Lavy’s Café 鳴尾・武庫川女子大前駅店 開催

 2024年3月17日、4回目となる「まあいいかcafe」開催。

 認知症を患うお母様から発せられていた「働きたい、誰かの役に立ちたい」という言葉。

 そんななかで出会った「注文を間違える料理店©」を主催する小国士郎さんに触発され、同じコンセプトを掲げた「まあいいかcafe」事業を京都で始められた平井万紀子さん。

 「まあいいかcafe」では、認知症の理解促進のみならず、違いを許容できるインクルーシブな社会実現に向けた取り組み方をイメージさせてもらうことが出来るように思います。

 「なぜ認知症の人は笑顔なのか」の問いに、小国さんは「安心して間違えられる環境があること」が大きいと。そして、「間違えることを目的とせず、間違えないための準備をしっかりとすることが大事」とも仰っていますが、回を追うごとにその意味の奥深さを実感します。特別養護老人ホームにしのみや苑、甲寿園、ケアマネージャーの光永啓太さんをはじめ、武庫川女子大学・短期大学部の看護学部徳重ゼミの皆さんなど多数のご厚意の結集で今回のイベントが開催されました。

 今回キャストには、なんと御年101歳の女性も加わってくださいました。

 総勢7名がエプロンをして、「さぁ、お仕事、お仕事」といって腰を上げられる姿は毎度ながら感動的です。

 キャストさんのご家族も、働くお身内の姿をご覧になって笑顔が溢れます。また、次回参加希望の方が親子でご来店されるなど、希望の輪が拡がります。

 人口の高齢化が進むなかで、認知症高齢者に対してどのように接するべきかアジアはもとより欧米諸国にとっても関心事のようで、当日はARD国営ドイツテレビ・アジア支局取材クルーの密着を受けました。逆取材をしてみますと、老人施設内でのこうしたイベント開催は想像がつくが、一般のお客様をお迎えしている飲食店が、どんなふうに「まあいいかcafe」にスイッチし対応されるのかが大変興味深いとお話をされていました。

 

 ともあれ、13時から16時までの3時間でしたが、今回もキャストの皆様とサポートしてくださる皆様とご一緒に、心和む時間になりました。

 

プロによる「かとう夢授業2023plus」第6回 辻 直美さん

 2024年1月29日、「プロによる『かとう夢授業2023plus』」最終回が加東市立滝野中学校で開催され、国際レスキューナースの辻直美さんに登壇いただきました。

 

 演題は、『災害は怖いけど、防災はオモロい!』。年初発災の能登半島地震が影響してか子供達の傾聴姿勢は目を見張るものがありました。若い世代にこそ防災に関心高くあって欲しいと力を込めた辻さん。テレビ、ラジオ、メディアからの出演依頼殺到で超多忙のスケジュールをきちんと調整してご来市くださったこと、本当に感謝です。

 

 講演内容については、神戸新聞の記事において、素晴らしく纏めてくださっていました。画像掲載しますので、是非ご一読ください。



 2023年9月に始動した企画全6回が無事終了しました。生徒の皆さんからの感想が纏めて届くことになっていますが、どんな風に響いたのかを楽しみにしているところです。

 企画開催にあたりましては、関係各位のご協力に深謝すると共に、登壇者の皆様はもちろん、現場の先生方をはじめ未来を担う子供たちの育成に想いを寄せるたくさんの皆様とお出逢いできましたことを嬉しく存じます。あらためて御礼申し上げます。

 

 

2024.3.7追記★

後日、加東市の広報かとうにも掲載されました。

 

プロによる「かとう夢授業2023plus」第5回 バイマーヤンジンさん

 石川県能登半島において発災の大規模地震により大変心痛む年明けになりました。当社社員一同、被災地の皆さまへ心を寄せ続けたいと思っております。

 

 さて、去る2024年1月25日、当社の地方創生応援税制を活用したプロジェクト「プロによる『かとう夢授業2023plus』」第5回が加東市立東条学園で開催され、チベット人歌手で社会教育家としてご活躍のバイマーヤンジンさんにご登壇いただきました。

 演題は『幸せへの近道~私はなぜ学ぶのか~」。

 バイマーヤンジンさんは、かとう夢授業の趣旨に当初から賛同しご来市くださいました。

 期待を裏切らず、児童・生徒たちを魅了して離さないトークに加えて、ダライ・ラマ14世の御前でも披露された生学科の歌声に聴衆は一瞬にしてチベットの草原へ誘われるようでした。

 バイマーヤンジンさんの講演にはたくさん大切な言葉が詰まっていて、彼女に出逢ったことはきっと子供たちの宝物になると感じました。もちろん、私たちにとってもです。

 尚、後日神戸新聞にて掲載されたバイマーヤンジンさんの講演内容に関する記事は次回ブログでご紹介します。

 

2024.3.7追記★

後日、加東市の広報かとうにも掲載されました。

 

プロによる「かとう夢授業2023plus」第4回 ウクライナ人バレエダンサー ボグダン・チャバニュクさん、ヴィクトリア・コスチュチェンコさん

 地方創生応援税制を活用した当社のプロジェクト「プロによる『かとう夢授業2023plus』」の第4回目が2023年12月11日、加東市社中学校で開催され、ウクライナ人バレエダンサー ボグダン・チャバニュクさん、ヴィクトリア・コスチュチェンコさんがご登壇くださいました。

 おふたりの演題は「平和を求めて」。ウクライナでプロのバレエダンサーとして活動されていたおふたりが、2022年2月、突然のロシア軍によるウクライナ侵攻をきっかけに、戦禍から逃れるため祖国を離れて、日本で新たな生活をスタートさせておられます。今回は、祖国に残してきた家族や友人への想いを込めてお話しくださいました。

 

 講演のはじめに、ウクライナの自然や歴史的建造物を映した動画を流してくださいました。それらは皆、筆舌に尽くしがたいほど美しいものでしたが、講演の最後には一転、「ウクライナの今」の動画を流してくださいました。ウクライナでの戦争の惨状は、今の時代、ニュースなどで知ることができますが、実際にこうしてウクライナから避難されてきた方から発せられる生の声でお話いただくと、決して遥か遠い国の出来事ではなく間違いなく今実際に起きている出来事であることを思い知らされます。

 質疑応答の場面に、「日本人の私たちに何か出来ることはないものか」との質問があがり、これに対しておふたりは、「ウクライナはとても寒く、日本のカイロもとても大きな支援になる。ウクライナへ便利な使い捨てカイロを送って欲しい」と答えておられました。実際のところ、マイナス20度にもなる地域もあるため世界にもカイロはありますが、日本ほど使い捨てカイロが普及している国は少ないそうです。

 残念ながら日本にいる私たちにできることは限られていますが、現地の方がどのような生活を送り、そしていま何が必要かを我ごととして捉えて、ウクライナの人々に心を寄せることが大切だと感じました。

 最後にお二人にウクライナの平和を祈るバレエをご披露いただきました。

 「かとう夢授業2023plus」は、さまざまな分野のエキスパートが集まって講演いただく機会。生徒たちにとっても、大人たちにとっても貴重な経験になると思います。

 ボグダン・チャバニュクさん、ヴィクトリア・コスチュチェンコさんの神戸でのバレエ教室のご発展と、彼らの祖国ウクライナに一刻も早く平和が訪れることを願います。

 

 第5回目となる1月25日は、チベット人歌手 バイマ―・ヤンジンさんが加東市立東条学園小中学校にお越しいただきます。

 

 数日後、地元神戸新聞にも掲載されました。

 

 第5回目となる1月25日は、チベット人歌手 バイマ―・ヤンジンさんが加東市立東条学園小中学校にお越しいただきます。